第24回JA福井県大会にあたって

第23回JA福井県大会の総括

福井県JAグループは、平成24年11月に第23回JA福井県大会を開催し、「食と農でつなごう!地域の協同」をテーマに、「地域農業戦略」、「地域くらし戦略」、「経営基盤戦略」を策定・実践することを決議し、各JAが一体となった取り組みを進めてまいりました。

  1. 地域農業戦略について
    持続可能な地域農業の構築では、担い手経営体を明確化し、TACを中心とした質の向上支援をはかるとともに、多様な担い手の役割発揮に向け、所得確保対策や受委託事業等のルールづくりをすすめました。また、消費者との信頼を確保するための食の安全対策として、ファーマーズ・マーケットの生産履歴記帳運動をすすめるとともに、GAP(農業生産工程管理)や特別栽培米の普及に取り組みました。
    しかし、米価の下落傾向が続き、販売品販売高が年々減少するなかで、稲作に限らず、園芸とあわせた複合的な農業経営と多様な担い手対策が求められる状況にあります。
  2. 地域くらし戦略について
    豊かでくらしやすい地域社会の実現では、組合員との接点づくりや支店を核としたコミュニティ活動としての「1支店1協同活動」を展開するとともに、担い手・女性等の経営参画に取り組み、女性組合員20%以上(5JA)、女性総代5%以上(3JA)、9JA19名の女性理事・女性経営管理委員が誕生しました。
    また、JAで策定した「JA食農教育プラン」に基づき、農業体験等を中心とした食農教育に取り組むとともに、地産地消運動を積極的に推進し、女性部オリジナル商品の開発や女性起業家の支援をはかりました。
    しかし、支店行動計画の策定は5JA・31支店となり、支店だよりの発行も31支店に留まりました。
  3. 経営基盤戦略について
    地域に即したJA経営基盤戦略の実践では、基本戦略である組合員ステージアップ戦略に取り組み、組合員数115,000人を達成するとともに、支店機能の強化をはかるため、支店行動計画に基づく進捗管理の徹底や経営管理の高度化に取り組みました。また、JAの理念・使命の実現に向け、情勢変化に対応できる人づくりに取り組むとともに、全役職員の農業を通じた農力開発や職員満足に向けた活力ある職場づくりを展開しました。
    組合員加入推進目標の13万人に対しては、一定の増加をみましたが未達となりました。

これらの反省と課題を踏まえ、引き続き農業者の所得増大と地域の活性化に全力で取り組むことが求められます。

第24回JA福井県大会に向けて

  • JAグループは、平成24年11月の第23回JA福井県大会において、JAのめざす姿を「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」と定め、「持続可能な農業」と「豊かでくらしやすい地域社会」の実現に向け、「地域農業戦略」、「地域くらし戦略」、「経営基盤戦略」を策定・実践することを決議し、各JAが取り組みをすすめてきました。
  • こうしたなかで、政府は、平成26年6月改訂の「農林水産業・地域の活力創造プラン」で、農業・農村の所得を今後10年間で倍増することをめざす農政改革の一環として、「農協改革」の推進を決定しました。
  • 政府からの「農協改革」の提起に対し、JAグループは、第23回JA福井県大会決議をふまえつつ、将来めざすべき協同組合としてのJAのあり方、営農・経済事業の強化に向けた自己改革事項について検討をすすめ、平成26年12月の県下組合長・経営管理委員会会長会議で「福井県JAグループ改革」を決定・公表しました。
  • このなかで、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、「持続可能な農業」と「豊かでくらしやすい地域社会」を実現するため、「農業者の所得増大・農業生産の拡大」「地域の活性化の実現」「JA経営基盤の確立」の3つを基本目標とする自己改革に取り組むこととしました。
  • 第24回JA福井県大会では、「農協改革」にかかる政府・与党内の検討経過や、改正農協法成立(平成27年8月)等、その後の情勢変化をふまえて、昨年12月に決定した「福井県JAグループ改革」のさらなる具体化・見直しを行い、JAグループ共通の実践方針(平成28~30年度)を決議します。
  • 組合員をはじめJAグループ内外から、自己改革の着実な実践と成果が求められていることをふまえて、第24回JA福井県大会の施策領域は、自己改革の基本目標である「農業者の所得増大・農業生産の拡大」「地域の活性化の実現」と「JA経営基盤の確立」につながる施策領域に絞り込むものとします。
  • 全てのJAは、第24回JA福井県大会議案をふまえて、組合員とともに自己改革として取り組む施策を策定し、大会実践期間(平成28~30年度)においてその完遂をはかります。また、連合会・中央会は、JAの支援に全力を尽くします。